(公財)日本ゴルフ協会(JGA)は6月7日、JGAハンディキャップ(USGAハンディキャップ準拠)の正式導入に伴う「運用セミナー」を仙台駅前のホテルモントレ仙台で開催しました。出席者は加盟倶楽部のハンディキャップ委員長や支配人などの関係者200人以上で、会場の都合により1回目は岩手・宮城・山形県倶楽部の関係者が10時〜12時30分まで、2回目は青森・秋田・福島県加盟倶楽部の関係者が参加して、13時30分〜16時まで開かれました。
運用セミナーは日本ゴルフ協会理事・運営本部長の塩田良氏の司会で始められ、冒頭に丸森仲吾東北ゴルフ連盟理事長が挨拶。「本日の会議は来年から実施されるUSGAハンディキャップに準拠したJGAハンディキャップについての説明であります。東北ゴルフ連盟はJGAハンディキャップを使ってきましたが、国際的にはUSGAハンディキャップが使われているそうで、今回それに替えるという内容を皆さんにご説明します。ハンディキャップ計算システムである新J-sysに切り替えるので、皆さんにはスムーズに移行できるように、ご協力をお願いいたします」と語りました。
当面、100万人のオフィシャルハンディキャップ取得者を目標とする
運用セミナー開催に先立って、日本ゴルフ協会の永田圭司専務理事が挨拶とJGAハンディキャップ普及の基本方針について話しました。2014年からの新システム(JGA/USGAハンディキャップシステム)導入を機に、現在137,000人にとどまっている状況を見直し、普及に向けて最大限の努力をしていく方針です。
その主な内容は、JGA加盟倶楽部メンバーは無償で、JGA/USGAハンディキャップインデックスを取得できます。また、2013年以降、ハンディキャップ普及促進を図るうえでJ-sys「利用料」に併せて「新規登録料」も無償とします。ハンディキャップインデックス取得者は、JGAクラブ会員にも無償で自動登録され特典が受けられます。JGA、地区連盟主催競技への参加資格を持ちます。ハンディキャップ計算システムである新J-sys(N-Jsys)を利用できます。
また、公益財団法人としての使命もあり、ノンクラブメンバーのゴルファーへの普及を図ります。ハンディキャップインデックスの取得希望者には、有償で取得できる制度を拡大します。永田専務理事は「JGAでは不退転の決意で、スロープシステムを機軸にさまざまな施策を講じ、ゴルフ界全体の活性化を目指します。皆さんと一緒にやっていきたいので、ご協力をお願いしたい」と述べました。
また、日本ゴルフ協会常務理事でハンディキャップ担当の諸戸精孝氏が「JGAでは世界のゴルフ先進国を含む61カ国が採用しているスロープシステムを日本に導入します。本日は新しいハンディキャップをどう使っていくか、どう切り替えていくかについて内容を説明します」と挨拶しました。
JGAハンディキャップ(USGAHDCPシステム準拠)とJ-sysの運用
日本ゴルフ協会事務局小委員会メンバーの船越寛氏が「JGAハンディキャップ規定〜2014年1月1日正式導入に向けて〜」について説明しました。その主な内容は次の通り。
【新HDCP制度(スロープシステム)導入】スロープシステムを採用することで、ゴルファーは世界基準の方式で技量を正確に算定した「HDCPインデックス(少数第1位)を持ちます。どこでプレーしても、コースの難易度に応じて公平に調整したHDCPでプレーできます。
JGA加盟倶楽部に所属するゴルファーはNewJ-sys登録料・使用料が無料。加盟倶楽部とインターネット接続し、倶楽部HDCP委員会の検証を経て世界基準のHDCPインデックス証明書が発行されます。毎月1回更新され、常に最新のHDCPインデックスを表示します。
従来制度では表せなかった技量差を正確に数値化します。現在同じHDCPの人でも、使用ティグラウンドの違いなどから、2人は同じ実力ではない。スロープレーティングを加味すると、正確な技量を数値化でき、どこでプレーしたスコアでも技量を正確に判定します。加盟倶楽部にはJGA/USGA公認スロープレーティング《机上スロープレーティング認定書》《実査定レーティング認定書》を発行します。そのほか、コースHDCPの換算方法、スロープシステムの使い方、加盟倶楽部におけるスロープシステム活用想定イメージの説明もありました(省略)。
【新ハンディキャップ制度導入の意味】目的は日本のゴルフの普及発展(ゴルファー人口減少阻止、ゴルフプレー活性化)、つまり「より多くの人々にコースでプレーしてもらうこと」。その手段としてオフィシャルHDCPの制度改革が必要だということです。その要点は「オフィシャルHDCP」の取得者を増やす」(倶楽部メンバーのJ-sys登録料・利用料無償化、ノン倶楽部メンバーの発行窓口拡大)と「オフィシャルHDCPを使う環境を整える」(HDCPを使ったゴルフの楽しみ方を推奨、アンダーハンディ競技の促進・拡充)。この双方を推進し、ゴルフ場に人を呼ぶことです。HDCPはゴルフの根幹インフラであり、ゴルフの強力な武器だが、それを使い切れていないのが現状。使って楽しめるHDCP制度への転換が必要です。そのために、JGAとしてはHDCPインデックス取得者拡大とオフィシャルHDCPを使う環境の整備・拡大を促進します。
最後に日本ゴルフ協会事務局主事の森田勇樹氏がJ-sys運用方法の概要を説明しました。1.現行のJ-sysは2014年にUSGAハンディキャップシステムに対応した『NewJ-sys』としてリリースするため、現行のJ-sysは2013年末でクローズします。2.現行のJGA/USGAハンディキャップインデックスの数値は、2014年1月リリースの『NewJ-sys』にそのまま引き継がれます。そのほか『NewJ-sys』のスムーズな運用のための準備、競技会システムを同時リリース、新HDCP規定に伴うJ-sys運用の主な変更点などについて、ポイントを語りました。質疑応答の後、日本ゴルフ協会ハンディキャップ委員会委員長の引地理策氏と日本ゴルフ協会ハンディキャップ副委員長の大友富雄氏が閉会の挨拶を行い、有意義なセミナーを終了しました。
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